富貴蘭と山野草
最近では園芸用の植物として、定着している富貴蘭ですが、これは、もともとは山野草の一種でした。
山野草とは、日本古来から栽培されている、野山に自生する植物や、外国の野生に咲く花や、交配種など様々なものです。
そんな中で、木に着生することで有名の野生蘭の富貴蘭です。
これが最も有名な山野草と言ってもいいのではないでしょうか。
この富貴蘭の変異品種として、近年、高い人気がある植物がフウランなのです。
山野草とひとことに言ってもとても幅広いものになってしまいます。
1970年大頃から、エコと称して、野生の植物が注目されてきました。
そうしたことから、今の富貴蘭のブームもあるのでしょう。
フウランの歴史も古く、江戸時代中期頃にまでさかのぼることができます。
花が美しく、香りのよいということから、古くから栽培され、愛好されてきました。
高価だったことから、大名や将軍などの上級階級の人々でしか手に入れることが難しかった、この富貴蘭ですが、江戸時代末期頃には、だんだんと一般庶民にも愛好されるようになってきました。
戦時中は存続が危ぶまれたフウランですが、百種程生き延びることができ、現在の富貴蘭につながっているのです。
ただの山野草であったフウランが人の手によって急成長したのですね。